べにぢょの日記

美人が好き

ぜんぶうんこのせい。

母と妹とスシローへ行った。
食事中、私はトイレに立った。
女子トイレの表示が見えた頃、中から声が聞こえた。
「マホ、出たなら先に戻ってなさい」
「んーん。待ってる。」

親子でトイレに行き、先に出た娘が母親を待っているらしい。


女子トイレの入り口を入ると、個室が2つあった。
手前が空いていて、奥が埋まっている。
洗面台の前に、小学生くらいの女の子がいた。
彼女がマホちゃんで、奥に入ってるのが母親だろう。
私は、マホちゃんが今しがた出たと思われる手前の個室に入った。
入ろうとした。しかし、心理的な急ブレーキがかかった。
そこには、大きなうんこがあった。


マホこのヤロウ。
とっさにそう思った。
小学生ならうんこを流さなくても許されるわけではない。
マホを振り返った。目が合った。
私は険しい顔をしたと思う。
うんこ流し忘れたことに気付いたのか、マホは目を見開いて私を見つめ返した。
(次はうんこ流せよ。)と心で諭し、マホのうんこを流して個室に入った。


「マホー?まだいるのー?」
奥の個室から母親の声。無言で走り去るマホの足音。
私にうんこを見られて居たたまれなくなったのか。
母親を待っているつもりだったマホは、席に戻ったようだ。
私も何事もなかったように席に戻り、帰りの車中で母と妹にこの話をした。
すると、妹が言った。
「それについて、お姉ちゃんが知らない事実をひとつ知ってる。」


笑って済むはずの話に、何を言い出すのか。
「お姉ちゃんの前に私がトイレに行ったとき、既にうんこがあったんだよね」
どういうことだ。もしや。まさか。
「それって、手前?」念のための確認に、妹は大きく頷いた。


この事実をふまえてマホの視点から考えると、つまり、こういうことになる。
マホは母親とトイレに行った。
母親は奥に、マホは手前に入った。入ろうとした。
そこには、大きなうんこがあった。
入るのをやめ、母親が出るのを待って奥に入ろうと思った。
そこに見知らぬ女性が来て、うんこを見つけた。自分を見て怖い顔をしている。
私じゃない!私のうんこじゃない!
そう言いたかったが声にならず、ただただ目で訴えた。
しかし女性は無言でうんこを流して個室に入った。
濡れ衣は晴れず、マホはその場から逃げるしかなかった。


マホに申し訳ないことをした。
しかし、あの状況でマホのうんこではない、という可能性は浮かばなかった。
「うんちは流そうね^^」と優しく注意していたら、弁明の言葉を聞けたかもしれない。


「ちゃんと流してね、って言えばよかったかなー。スシローだけに^w^」
車中の空気が凍った。
ぜんぶうんこのせいだ。